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2011年5月29日日曜日

整形外科専門医のメリット 未来につながる第一歩

 整形外科医専門医の話も、その時期(申し込み締め切り近い7月、試験のある1月)になると
ブログ等でも書かれる方が多いところ、あえて全く関係のない時期に書きます。
 専門医を既にもっている先生が、今から取得する先生に取得しても意味ない、といった話時々
耳にします。しかし、実情が何であれ患者様は専門医志向であることが多いらしく、病院のホームページとかにも担当医師が取得しているかを示していることも多いです。
 こんな社会的背景以外にも一つの利点が、”日整会広報室ニュース(2009年4月、第77号、
取り上げるにはすこし古い気もしています。ご了承ください。)”に書かれていました。

それは、”先進医療など保険外診療を行う申請をする際の担当医師条件に”専門医”であることが求められている”ことです。今後ますます病院の淘汰が続くなら、先進医療を行っている病院ということで病院の宣伝効果に役立つ可能性があります。またそういった申請ができる医師
として内部での自分の価値を高められるかもしれません。

 また海外に向けて履歴書提出する際、専門医であることは日本以上に評価されます。
医学博士(Ph.D.)も同様です。留学を志願する際に役に立つのではないかと思います。
国内でももっと評価されてもいいと思いますが、少しだけもっていない医師より給料が高く
なるという蛇足的な話をもってこの話題を終えたいと思います。

(2016年追記)
この頃では、専門医を取ることを制限しようとする働きもあります。取ってメリット
より、取らないとデメリットが生じてきそうな気がします。
 

2011年5月22日日曜日

海外会社への日本語支援

 タイトルの”海外会社への日本語支援”って書くと聞こえはいいのですが、留学時代に
経験した単発バイトの経験です。
 留学中にその研究機関の主体の大学で語学授業があったので、毎週足繁く通って
おりました。大学の掲示板というのは内容は様々で「~を売ります」とか、イベントの
記事とかありますが、ふと見ると市内の会社で「日本語のできる方」という募集を
しておりました。早速コンタクトをとり会社に行くことになりました。なんと会社から
の車でのお迎えつきです。
 会社は、物流管理支援の会社でした。なので全く専門外です。物流を管理するのには
当然棚を細かく整理して商品等を分配することが重要で、通常倉庫などで管理されます。
それぞれに区分けされたところにいくつの品があるのかを常に管理しないといけません。
単なるイメージですが、バーコードなどで管理すればOKなのかと思っていましたら
そうでもないみたいです。常に作業効率が求められるそうで、バーコードを管理する
機械などをもって作業をしたとすると当然手をとられてしまいます。また、誤操作なども
起きる可能性があります。このようなことに対処し、ヘッドフォンと音声で認識管理
できる機器を開発しているのがこの会社と知りました。これを用いた場合、アイズフリー
ハンズフリーとなって、手と視線を基本的な作業手順に集中させ、正確に指示すること
ができます。作業者は、よりスピーディーに目的に向かって倉庫内を移動できることに
なるそうなのです。
 で、なんのお仕事を頼まれたかというと今度日本にも進出する予定だそうで、
日本語バージョンを作成したいようで、自分の音声を録音させてほしいというのが主旨
でした。自分の声で作業する人が日本ででてくるとは!と緊張してきました。女性の
知り合いはいるかと聞かれ、妻も連れていったのですが、男性女性の2バージョンを
作成したいみたいでした。自然な音声は、コンピュータ音声と異なり、作業者がより
短期間で簡単に機械に慣れることができるらしいです。
 いろんな英語のパターンを日本語ではどういうのかを会社の人とやり取りした後、
実際試そうかと思っていると、パソコンに日本語表示できないということがわかり、
少し待たされた挙句今日は無理だということがわかりそれでお開きとなりました。
 でも2人で1-2時間の拘束で100ユーロは、コストパフォーマンス的に良かった
と思いました。あんなんで開発うまくいくのかと思っていたのですが、先日部屋を
掃除していると名刺が出てきたので調べてみると、あのバイトの日から1年経たない
去年に日本での導入が決まったとプレスリリースに載っていました。
 気になるのはこの会社と、日本で販売する会社(つまり子会社ではない)の接点
方法です。トレードフェアでたくさんの議論をしたとプレスリリースに書かれてい
ました。結局は人と人とのつながりなのだと確信します。今まではある大学や病院
と会社のコラボレーションというのはなるべくしてなったと思い、気にしてません
でしたが、一番最初のきっかけは”0”であったところに誰かが話して橋をかける
からコラボレーションが起きるのだと思います。こういった試みをもうすこし続け
ていきたいと思います。

2011年5月18日水曜日

海外交渉で非常に役に立った本 

 前回、留学の裏目的”海外交渉の経験”の話をしましたが、今日はその時役に立った本、
2つの紹介です。

①交渉学入門


これを偶然本屋さんで見つけたのは、もちろんビジネス関連のコーナーなのですが、
そもそも交渉学なんていう学問があることさえ知らなかったのに、妙に引きつけられた
のを思い出します。しかもその海外交渉なんてすることの決まっていなかった留学前
だったのに、”留学しているときにいるかも”などと考えて購入したのを覚えています。

普通、交渉などと聞くと戦術のようなイメージが先行し、駆け引きの仕方とか落としどころ
探しみたいな誤った発想をしがちです。しかし実際は全然異なるものでした。
目標達成の確率をあげる有効な手段であり、”論理的に交渉する”、”事前に準備する”、
”交渉をマネジメントする”といった効果的な交渉の3原則にそって解説がされています。
何のために交渉するのか、といった基本的な出発点の話から、その後のステップでの
思考なども書かれてあり大変役にたちました。

こんなこと(医師として)使わないのではと思われる方もいると思いますが、それも
間違いで常にこういった思考方法をすれば会議等がスムーズに進められるといったことも
書いてあります。

②英語ネゴシエーションの基本スキル


これは実際交渉しないといけない状況になってから購入したものです。英語での交渉が
CDに吹き込まれておりヒアリングにも役にたちました。
いろんなパターンでの会話が録音されています。

2011年5月17日火曜日

海外留学の目的は? 表目的とは異なる目的

 海外留学の目的は? これは、医師で留学されている方のブログ等でも
よく取り上げられているテーマの一つかもしれません。が、典型的な
でない目的を自分は達成しました。まだ完全に完結していないので
達成といいきれませんが。

 オブラートの包んだ話をしていきますが、大学院時代に思いついたアイディア
がなんらかの形で商品化できたらいいなぁと思って留学をしました。
これを通常の留学目的を表目的とすれば、裏目的に相当します。もちろん
海外生活を満喫すること、つまり旅行気分で異国文化に触れることもこの
カテゴリーでしょうが、なんというかもう1段階上の位置づけと思います。
私は全くコネなどない状況で留学先を見つけましたが(学会で直接声をかけた!)、
それもこの留学先ならそれを展開できるのではないかと思いました。こう書きますと
私利私欲な感じですが、そうではありません。自分の力でどうにもならない事を
いろんな方の協力のもとに多くの人に役に立つようにするというのが最終目的
です。しかし、この案はいってからあっさり崩れます。類似した研究をしていたのに
今はもう行っていないなどの理由でした。それなら行く前に言ってくれよと
思いました(今はまたその分野の研究が復興し、やる気になっているようですが,,)。
 
 まぁ、このためだけに来たわけではないし..と、あきらめというか自分を説得しており
ましたが、あきらめきれず今度は類似商品で発展している会社にコンタクトを取りました
コンタクトの方法はというと、これも先ほどと変わらず、たくさんの企業が集まる
フェアに参加して、その企業がブースを出しているところに話を持って行きました!
説明したいことを図に印刷したりしたどうしようもない資料を片手に、こんな商品
どうでしょうか?というアプローチをしました。汗だくで話を終え(長い時間と
思っていたが30分くらいだった)、その有効性について調査するという、あたり
さわりのない対応で終わりました。連絡あるかーと思っていましたが、やっぱり
ありませんでした。
 自分としてはすでにそのアイディアを臨床で試しているので、根拠のない自信が
あったのですが、やっぱり無理かとおもっていたのですが、英語論文としてまとめ
採択通知が届いた後、再度話を聞いてもらった方にメールしました。その1週間後、
その方からメールがあり、話を聞きたいと思うので一度こちらに来てくれないか?
というメールをもらったのです。
 すでに試していたこともあったし、論文になっているという実績があったから
このようにいい方に話進んだのだと思うのですが、やっぱり直接話かけに行った
というのがよかった気がします。
こういった試みは日本に帰っても試しており、それもいい方向にすすんでいます。

 こういったいきさつから留学先のところから電車2時間半かけてその会社へ訪問し、
始まった海外交渉の経験が私の留学の際の裏目的となります。

2011年5月13日金曜日

なぜ医師が?! 発明協会に訪問した時の話

 特許出願関連のテーマが最近続いていますが、これもお伝えしておきたい
内容です。あるアイディアを思いついたときに読んだ本(破天荒を目指すための本④)
には特許を出願して、ある企業にそのアイディアをもっていく。ということが
書かれてあったのですが、これがどうも本当にこんなプロセスでいくのか疑心暗鬼でしたので
発明協会に話をしにいったことがあります。
 弁理士さんに無料で30分相談できるサービスを利用しました。これは大学院時代であったので
平日すこし職場を抜けて行ってきました。学生なんですから。
 その弁理士さんによると、アプローチとしては上述の方法でいくのでいいと思うが、

医師でありそこから出たニーズのはずなので持ち込みする企業と一緒にその発明を育てていくという姿勢が大事なのでは?という感じでした。

これは今思うとその通りだなと思います。
通常企業はこういったアイデアの持ち込みっていうのを嫌がる傾向にあるみたいです。
これは、質問して誰かが答えてくれるみたいなサイトで調べた結果です。企業には新企画を
考える部署や知財を管理する部署があるはずで、どこの馬の骨ともわからない奴の意見を
聞くこと自体リスクを伴うみたいなのです。また特許を取得した状態ならいざ知らずアイデア
あります、というようなスタンスでは意味がないと判断されるみたいなのです。
 ということで私は医師の立場を利用しながらアイデアを聞いてもらうという立場を
とりました。なんのことかわかりませんね。少しずつ書いていきます。

2011年5月11日水曜日

知的財産戦略

前回、特許出願のことを書きましたが、このときの気持ちにすこし
似ているサイトを発見しました。
タイトルの前に”医師のための”を
後に”マニュアル”というキーワード追加して検索すると
一番に検索されるサイトです。
マニュアル自体の値段設定がとても高く、内容は確かめていませんが
サイトに書かれている、医師を取り巻く知財の状況は正しく、
それを打開しようとする内容、姿勢には納得がいきます(繰り返しますが、
購入しておりませんし、これを購入してほしいとも思っていません)。
医師のアイディアは知的財産にあたり、世に役立つなら皆が使用できるように
していったほうがいいと思います。
しかし、商品化など実現しようとすると障壁が大きいのも事実です。

私はたまたま運よく、あるアイディアを思いついて、商品化に向けて
企業と交渉中の立場にたった経験があります。 すこしずつこの状況について
またの機会に書いていきたいと思います。

破天荒を目指すための本 ④ 医師も特許を知ろう

 このブログ書こうと思ったきっかけは、自分が今までチャレンジで行ってきた
ないし行っている(これらを少しずつ書いていきたいと思っています)ことは、少なからず
様々な方のブログを読み、模索した結果だったりするので、自分もなにかの
恩返しというか役に立ちたいという思いからです。

今回紹介する本は、何で医師が?!というものですが、特許の書き方がわかる本です。
”成功事例が教える一人でできる特許の取り方・活かし方 (B&Tブックス) ”です。



初め本屋さんで偶然みつけ(いやもちろん特許作成のための本ないかなーとか
思ってはいたのですが)、胡散臭ささ満点な気がして購入するのをためらいました。
しかし、そもそも特許ってどんな時に、どんなものに対して書くのかなど全く知らなかった
ので繰り返し読むとだんだん好きになってきました。書き方も例をあげて細かく書けており
実際これを読んで特許出願をしたことがあります(正確には特許を取得したというのと、
出願しただけというのは次元の違うはなしなのですがここではふれません)。
 このあたりが破天荒かなと思われるかもしれませんが、
これもある医師のブログで特許を書いたことがあるという記事を読んだからなので
まだまだ破天荒には到達していないかと思います。

なんで特許を? まだ書いていないのですが、これは別の記事で書いていきたいと思います。
実は医師のひらめきは特許を取得することにつながる仕事と思います。

2011年5月9日月曜日

英語論文 10本作成の余剰効果 ③ (海外からの謝礼つきの問い合わせ)

先日、海外からあるメールが届きました。
医療系のコンサルト会社のようでしたが(アドレスから検索)、手術のあること
(あえて伏せます)について意見を聞きたいというものでした。
論文が出回ったことの効果で、筆頭著者のcorrespondenceとしてメールアドレス
が載ってしまうことからときどきいろんなところからアンケートの依頼があります。
「何分しかかからない内容なので是非ご協力を!」とかいうのがほとんどで、
今まで書いたことありませんでした。
しかし、今回は協力したのでした。なぜか?
実は件名に”(謝礼をお支払いします)”というコメントがあったからです。
完全に術中にはまってしまったのですが、ゴールデンウイークの暇な日など
だったら対応できるしいいかもと思って協力可能の返信をしました。
もう一つ、希望があれば日本語でも可能ということだったからもあります。

何回かのやり取りのあと、深夜10時に海外からの電話がなりました。
(時差があるからです。日本からでなさそうなのは自明です。)
英語での質問があって、わからないと通訳者が訳してくれるという状況で
40分くらいでしょうか?そのあることについていろいろ聞かれました。
途中から疲れてほとんど訳してもらってました。あーなさけない。

一応規模としては全世界で100名ほどの整形外科医を抽出して聞いている
ということで日本の医師には私含めて10-15名くらいだそうです。
なんで選ばれたかわかりませんが、選ばれたこと自体興味深かったです。

そして気になる謝金ですが350ドルも頂きました!!こんなこと
そうそうないのでしょうが、こういった市場調査が行われている
ということがわかっただけでも勉強になりました。

2011年5月1日日曜日

破天荒を目指すための本 ③ 「英語ができる」の斬新な考え方

この本も是非破天荒を目指すなら読んでほしい本です。本屋で偶然見つけた、
ピンクカラーを用いたかなりいかがわしい上下2巻の本であり購入するか非常に
悩んだ記憶があります。タイトルに英語って書かれているわりに英語の勉強の本
では全くなく、価値観を変えよ!、という内容でした。
マインドマップとか今ではビジネス系の本で見られる考えかたの紹介等、たくさん面白い
要素がちりばめられているのですが、自分のブログで大事な事としては英語の利用の仕方
でした。
 通常、英語が話せると外国人と友達になり、そのおかげでビジネスに結び付くと
いった考え方をするものです。ところが、この本では結果先取り方式というか逆の発想で、
ビジネスチャンスを見極め、その分野のみで必要な最低限の英語でアプローチして、
ビジネスの発展とともに英語の能力も上げていくという方法を紹介しています。
 私もこれを参考にして、海外の会社とビジネスチャンスを展開できるようになっています。
タイミングさえよければ、大して英語ができなくてもそういった機会をものにできるという
今までにない達成感が味わえます。
文才あって非常に読みやすく書かれているし、もう一度読み直すときに効率よく読めるよう
なマーキングがなされているのもの親切であると思います。