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2014年9月24日水曜日

「医師は最善を尽くしているか」という本が目に止まった、OEM関連のKOL活動

 今週から新学期になり忙しくなるかと思っていましたが、いろいろあって拍車がかかっています。タイトルも何かいているかわかりませんでしょうが 追って説明していきます。
本の内容と後の頭文字群には共通点はないのですが、今回はあえて混ぜた内容です。  

 頭文字をとって呼ぶものとは、業界が違うと全く知らないなぁという事を痛感しています。OEMは最近知りました。Wikiによりますと、「OEM(オーイーエム、英: original equipment manufacturer)とは他社ブランドの製品を製造すること、またはその企業である。」となります。こういったことにKOLとして 会議に参加してきました。会議の方法は、英語カンファレンスとFace to Face会議のMIXでした。KOLはこのブログの自己紹介に書いてあります、Key Opinion Leaderのことで、日本語では有識者とかなるのでしょうか。
 OEMが行われる場合には、提供する会社と提供される会社の交渉というのがあると思うのですが、それが行われる前段階でのKOLとの意見聴取という感じの内容でした。こんな活動のために半日つかってバタバタし何時間もかけての移動とかしていると、この活動はどれぐらい役に立っているのかわからなくなりました。医師として臨床活動、研究活動したりの方が明確ですから。  

 そんなとき偶然見つけた本が「医師は最善を尽くしているか」になります。もう1年前のものでした。 出版社のサイトで書かれているものは、 

”「人々は医師の仕事を孤独で知的な作業だと思っている。しかし本当のところ、医学を正しく行うことは、頭を使って難しい診断をつけるようなことではなく、スタッフ全員にくまなく両手を洗わせるようなことなのだ」 医師の仕事とは正確な診断をつけたり、手術の技術的な腕前を磨いたりすることだけではない。組織、金銭的コスト、医療システム、そしてスタッフや患者の家族など、さまざまな要素が混在するなかで医師は専門家としての結果を残さなくてはならない。本書に描かれるのは、そんな医療現場のやりくりの物語である。”

 と書いてありますが、医療現場の生の状況がわかること、米国の話であってシステムが異なるのに、意外と苦労する点はメインでない雑多のことであることが、日本の医療現場とも合致しとても参考になります。11個のエピソードの中では、医師だったのに弁護士として活動している医師の話が一番面白く読めました。保険の状況が米国と異なり、日本の医療は皆保険で高額な治療についての導入が難しく、米国のようだったらいいのにと思うこともありましたが、未払いの対応されるとダイレクトに収入減につながるという現状がわかったり、金のために医師になったわけではないというスタンスもクライアントの対象によってはものすごく対応を変えている医師の気持ちとか赤裸々に書かれてあったりして、様々なことが複雑に絡みあって医療というものは成り立っており、医師としての活動の多様性もあっていいかと最終的にはいいかと思えてきました。  
 他参考になったのは、あとがきに書かれいてる”医学生・研修医に勧める5つのこと”でしょうか? 1.筋書きにない質問をしなさい。 2.不平を漏らすな。 3.何か数えろ。 4.何か書け。 5.変われ。 とあって、特に5でしょうか? 「新しいアイデアに対する反応には3つある。」初期採用者(アーリーアダプター)か、後期採用者か、変化に抵抗し続けるかだ。著者は、医師は常にアーリーアダプターになるよう助言するっていうところも自分の活動を許容してもらえる気がしました。

2014年9月18日木曜日

留学先を見つける方法 海外研究所見学後の感想

 先日、海外の整形外科で有名な研究所に見学にいってきました。 
本日の話は、

つながりを持つまでのコネクションは誰でもゼロである、ゼロからイチにするだけでコネクションとなり可能性が拡がります。

です。

 その研究所の先生とは全く面識がなく、いろんな研究をしているなぁ、という普通の感想しか持っていない先生でしたが、もともと母国で整形外科医だったけど、そこを飛び出して海外で展開して成功しているというところに興味を持ち、一度会ってみたいなぁという気になっていました。たまたまそこの研究所を知っている先生と話をする機会があって、その先生から連絡をとってもらい、”日本の整形外科医で研究もしていて、研究所の先生に興味をもっている方がいる(自分の事)”という感じで紹介をしてもらいました。
 その後、自分からメールして、先生の研究に興味があって一度見学に行きたいのですが、とメール書いたら来ていいよと返事もらい、いざ出陣、海外へ。

 興味ある研究で少し話をして、いつか機会があれば(もちろん何かしらの金銭的工面もできたらというIFが多い話でしたが)ここで研究してみてもいいでしょうか?と聞いてみたところ、いいよって言われました(特に予定していませんが)。

これは自分の熱意もありますが、単にタイミングの問題であることに気づきませんか?

おそらく背景には日本人の研究者と関わったことがあるとか、日本人は比較的真面目に取り組む、しかも雇わないで来る人が多い(最後のは賛否あるでしょうが)、とかがあったとは思いますが、一度会えば、会わないより格段に関係が構築できる気がします。あとでこの紹介してくださった先生のところにも会いに行きましたが、その先生も、またそこで働く同じく日本の整形外科医の先生も一度見学してコネクションを築いていました。

行くだけです。

その人の能力というのはさほど関係ないと思います。もちろん挨拶程度の会話は必要でしょうが、DiscussionがきっちりできなくてもOKな気がしました。プレゼン能力も必要な場合もあるでしょうが、それも小さい気がします。向こうがそういったことに興味があるかないかですね。

 実は、自分が留学したときの留学先もただ国際学会でワークショップをしている先生に話にいったのがきっかけです。そのときもたまたまその教授先生だけが展示の担当している時間帯で、いろいろそこの研究内容について聞いた後、興味があること、行ってみたいのだけど、という程度の会話しかせずに行くところを決めました。
この手法(というか単に直接アプローチするだけですが)はいろんなことにも応用がききます。でもうまくいかなくても単に相手が悪かっただけで、タイミングのいい相手に出会うまで続けることが大事だと思います。

 もう今の自分は年齢的にも立場的にもポスドク的ないしリサーチフェロー的時代ではなくなったので簡単には日本を離れることはできませんが、機会があればこういった海外生活ができればとは
思っています。

2014年9月16日火曜日

学会とはちょっと違う! 若手中堅整形外科医による講演、セミナーの準備に 役立つ本の紹介

今回はセミナー、講演といったものの依頼を受けたときに準備のため読んでみた本をいくつか
取り上げてみたいと思います。古い本が混じりますが、古い本というのはこれまで幾度なく読み返したわけなので、新書の紹介よりも価値があることもあるのではないかと思います。 でも、今回はあくまで学会発表ではないのは、学会発表は時間が5分程度でタイトで、プレゼンに深みを持たす努力でなくオーソドックスにまとめることが大事だと思うからです。

①スティーブ・ジョブズの驚異のプレゼン
これは人々を惹きつける18の法則として、18個紹介があるのですが、ちょっと一般的人が取り組むには難しいテーマばかり並べられている気がしました。すいません。
例えば、シーン6「敵役を導入する」とかシーン13「「うっそー!」な瞬間を演出する」とか翻訳のせいかもしれませんが、なんとなく馴染みにくい書かれ方なのです。
 でもシーン5「ロードマップを描く」の中の3点ルールという、大抵の人々は多くても3つぐらいの事しか覚えていない、ということを前提とした構成の組み立て方というのは参考にできると思います。
また、シーン14の「存在感の出し方を身につける」のなかでアイコンタクト、手振りといった外国人が典型的に行う表現だけでなく、ボリューム、スピード、間の使い方が書かれているのも興味深いと思います。



②プレゼン心理術
 これはかなり面白い。心理学者で、人との関わり方のコツを書いた「人たらしのブラック心理術」
を書いた作者ならではの、プレゼンの極意を紹介している。そもそもプレゼンで何をしたいのかを明確にすれば、それを事前の根回しで達成しておけば、目的に達するのだから、といった方向性が普通のと異なって良い気がしました。
・軽く日焼けしておくと”貧相なイメージ”を払拭できる
・どんな時でも服装はビシッと決めておく
・外見の魅力を磨け
などといった、心理的要素の重要性を示しながらも、
・「相手ができないこと」を提案しても無駄
・知識がなければ上手なプレゼンなどできるわけがない
など本質的な内容についても確実におさえてあり、読みやすいと思います。
「人たらし」シリーズは他に「謝罪術」等もあってこの著者のワールドに興味があった人にはいいかもしれません。




   ③ セミナー講師になって稼ぐ方法
 別に講演、セミナーで稼ぐという気はありませんが、読めばセミナー講師を稼ぎの職として考えた場合にどういったことに気をつけるのか等がわかる内容なので面白いと思います。またセミナー講師と講演家は違うのだという意識の違い(つまり、話を聞いてもらうのでなくて、話を聞いて次にその話を参考に期待する行動を取ってもらって初めて目的が達成する)等も勉強になりました。公開講座というのはどうでしょうね。講師の先生の気持ち次第でどちらにもなりうるとは思います。



④ なぜあの人は人前で話すのがうまいのか
 これは作家で有名な中谷彰宏さんの作品です。伝え方の方法を細かく紹介しています。聴衆が多くても基本は一対一の自己紹介まで掘り下げて、それがうまくできなければ大勢の前でもできるわけがない、というスタンスです。紹介者が紹介しているときに、紹介者をみるのでなく聴衆でこちらを見ている人が真剣に聞く人であるから、そのターゲットを探すこと、その人中心に話すことというのは大勢の前で発表するときに、どこに視線を向けたらいいのかということに役立ちます。また
始め方、終わり方を決めておくという当たり前のことを準備しておくことで心理的負担を軽減するという他の方が書かれていない切り口がいくつもあり、実践してみたいものが幾つもありました。


とりとめもなく紹介しましたが、一つ本を決めてその考え染み込むまでは読んでみるというのが効果的だと思います。

専門分野の同じ先生の 市民公開講座を受けて勉強する

 学会等で場数をこなし、きちんとした発表ができるようになった場合でも、対象が市民の方という場合どういった話をする必要があるのかを勉強したく、専門分野が同じ先生の市民公開講座を2つほど受けてきました。その感想をお伝えします。若手の整形外科の先生がどういった段階でこういった講座の講演を持てるようになるかはわかりませんが、自分の場合は、国内、国際学会で発表の経験が結構あって、一人で話す20-30分話すミニ講演、50-60分程度の学会での講演をこなした後に依頼をうけましたが、先のような対象が一般の方という経験が初めてだったので準備のために参加してきたというのが理由です。
 簡単にまとめますと、すごい大きな収穫というのはありませんでした。というのは普段外来で患者様に説明すること、また手術の時に説明することの内容で十分であったからです。でもいろいろきめ細かい配慮とか要所要所で感じたのも事実で、適切な配分で進行して行き、ビデオなども用意され、聴衆に不安を与える要素はないような内容でよかったとも思いました。手術に至るまでにいろいろな保存療法があり、最終手段としては手術を考慮するといいのではないかというような感じで、手術にすぐに誘導するわけではないというような姿勢にも好感が持てました。
 自分の公開講座は直近の話ではないのですが、少し準備できたような気がしました。この講演についてのどうやって行くかという本の紹介を次にしようと思います。

2014年9月12日金曜日

整形外科 英語論文 雑誌のインパクトファクター上がっています。 筆頭論文14個目



当初の記事はどってことない記事(結構下の方に残してあります(合掌)&(三角すわり))だったのですが、皆様の要望に応えるために、2016年に

整形外科 英文雑誌 Impact Factor (インパクトファクター)  改訂(チューンナップ)しました!」(下線部をクリックしてください)

という記事を書きました。2017年にも更新しようかと思ったのですが、競合する記事も発見でき(クリック)辞めました。 ひとまず、それでインパクトファクターのランキングについて把握できると思います。

2020年、別に調べる方法を見つけました!(”方法”というところをクリック)

2021年、ぶわーっとみれるPDF発見しました(この記事へのリンクはココ



 が、おそらくそのキーワードで検索した先生方の状況としては、

に立たされていることが予想されました。私もここのタイトルに書いているように論文をたくさん書こうと思っている時期がありました(現在自分のIFは、概算で40以上50未満です)。卒業年数 x 1本はあるのでたくさん書いたほうであると思います。2020年に予定通り20本行きました!

 論文作成をしないといけない事情は人それぞれなのですが、すでに”書かないといけない”って書いている時点で完全に後ろ向きであることもわかるように、論文作成というのは、なかなか難しい課題の1つであると思います。

この課題に敢えて、

真面目に、かつ不真面目(?)な
視点もおりまぜ併せて説明したいと思います。

そして最終的には論文を書いていくことについてのメリットを感じてもらいたいと思っています(下線があるところはほぼリンクします)。

論文雑誌を書く事は大事である! で、その動機は?


以前、たくさん書いている人っていうのは、どんな気持ちで書いているのかなぁと思ったことがあり、

整形外科医で論文を書いている方(多い方は20編)にインタビューした記事

 (たくさん書いている先生の考え方が学べます)

で書いたように、純粋な気持ちでインタビューをしたことがあります。

学閥も全く関係なく、正直初対面の方もいたのですが、みなさん熱量がありました。ちなみにもうすぐ2018年っていう今(2017年12月)、再チェックしました。

なんと4名中3名は講師以上になっていました!オメデトウございます。
(2022年、なんと一人は主任教授に! すごい! 私、めききありました)


日本の医学部でなければ、序列は、助教(Assistant Prof.)、准教授(Associate Prof.)、教授(Prof.)ですので、それ相応に昇り(登り)つめている感じです。そして対外的には日本の講師で、Associate Prof. って書いていいみたいです(日本整形外科学会のホームページ内で、履歴書作成の手引きかなんかで書いてました)。私、人を見る目があるかも。なので一旦下げたnoteの料金を元に戻しました(苦笑)。

全ての先生のおっしゃっていることに共感できました。詳しくは、リンクしているところの記事を読んでもらいたいですが、簡潔的には、まず承認欲求があるのだと思います。


最近(2017年11月)の国会の答弁でも、何かのくだりでも使用されていた”マズロー”の
欲求5段階の4つ目、承認欲求。自分も最初の1つを書いた理由は、

”Pubmed"で検索されるなんていうことは、ひょっとしたらすごい事かもしれない!

などと思ったからです。実にくだらないけど正直なところです。
続いて、インタビューされた先生もおっしゃっていた、”論文書けば周りの目が変わる”。です。簡単に自分の事を紹介してもらうときに、

「OO先生は、こういうことに取り組んでいるんです。」(相手の反応):(ふーん)ってなるより、
「OO先生はこういうことにとりくんです。でも不倫しています。」(相手:えー!)」


と印象付けてもらえるのとおなじように、

「もう英語論文書いているんです!」


って付け足しされるだけで印象が変わるはずです。
 またこういったアナログの話だけでなく、最近では、自分の書いた論文が、だれかの論文に引用されたという連絡を勝手にもらえるということありました(下線部リンク)。


CiteAlert 自分の論文が引用されたことがわかる通知



採用の連絡だけでなく、執筆した論文たちの引用回数やh-indexなど細かい情報を
呈示してくれるサービスもあります(下線部リンク)。

英語論文作成の やる気が Elsevier 提携のサービスMendeley で 持ち直すかも


しかもこれらの予想できる変化だけでなかったのです。

今までの自分の体験から、論文執筆によって以下のような出来事が起こってきました。

ある外国の医療コンサルトからある機器のアンケート(謝礼つき)を依頼された

とか

整形外科、リウマチ科における関節注射の製剤メーカからコンサルが来ました。
(こちらも謝礼つき)

(これらの詳細記事”note”で書いています。会社名もばらしております。リンク先

というように世界感覚で認知されるようになってきました。

でも、これだけではまだ”論文を書こう!という側”の人間にはなれないと思います。なぜならこんな謝金、よく考えれば、すごくないのです。一発屋とおなじです。1回外来バイトすれば稼げてしまいます。

 そうこの研究活動とマネタイズの関係が非常に難しいと思います。例えばインタビューの先生の中に、患者様に手術させてもらうのだから、なにかしらの還元をしなければならないという孤高な先生もいらっしゃいました。本当立派だと思いますし、それを上の世代からきちんと引継ぎ、また下の先生に伝えていっており、とにかくすごいの一言につきます。
でも、そうです。別の自分がささやきます。


お金にならないじゃん! 

と。ほか、

コスパが!

とか。 非常に難しいところではありますが、職場の異なる先生となんとなく、で話す話は、手術何件しているか、給料いくらもらっているか、仕事の急がしさとか、であって、論文とかそもそも発表とか研究とかなど話題にでなかったりするわけです。最近であれば投資も話題の対象でしょう。

社会人数年目までは、一般臨床業務を急いで覚えないといけない状況で、あくせくしていて日々に忙殺されますが、その後空気吸う位にできるようになると、いろんな考えが起こってきます。でも知らないだけで、研究活動をしないっていうのは非常にもったいない(MOTTAINAI(世界標準))と思います。

論文というのはなにかしらの研究活動をしないといけないので、その研究がお金になるのか検証したいと思います。その前に僕が研修医だった時代の、上司の先生の一人が、


「人のためになる。しかも人からお金もらって好きなことができる。こんな楽しいことはない!!」


と研究活動のことをいっていました(今どっかの院長しています、サインもらっといて
よかったーとかいいつつ、すでになくした)。

でも一般的なイメージっていうのは、若かりし頃にクソ忙しいときに
小さな研究会で発表させられる、

などのくだらない(いや、とっかりとしては大事なのですが。)イベントのために、

”研究活動=しんどい事”っていう感じなんじゃないのかな と思います。

”おかね”なんていうキーワードはでませんからね。しいて言えば研究会参加費払わないといけない、なんていうマイナスの状況だと思います。

しかしながら、インタビューに答えていただいた先生(第4弾)でもあるように、


論文作成は、競争的資金の獲得に直接影響する


という事実があるのです。この先生も当初は気づかず、落ちまくって(そうは言ってませんね。応募するたびに落選。日本語って難しい)、それで指摘をうけてようやく気づいたわけです。

論文作成と助成金の関係については、私も大学院にいたときに先輩先生の話を聞いてやっぱり必要だと思いましたし、それを体験しました。一般的な民間助成というのも結構調べればあるのですが、最初は知りませんでした。まずはそういったお金は、文科省から頂く事のできる”科研費”がメインだと思っていました。しかし、科研費って大学院生は申請できないんですよね。でも大学院生でも申請できるものが一つあるんです。

それが、
日本学術振興会の”特別研究員”です。(リンク

”特別研究員制度は、我が国の優れた若手研究者に対して、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与え、研究者の養成・確保を図る制度です。”

とあります。大学院中にもらえる研究費で、研究費に専念するため、とあるだけあって、毎月40万円弱の給料がもらえます。つまり今までただ働きで研究していたのに対して、外部からお金を払ってもらい、その大学院に配属されるっていうようなことになるのです。私が申請した枠は2年間でした。さらに毎年60万の研究費もらえました。
つまりですよ、

これで960万+120万で、1080万!

獲得したことになります(これで1回目の海外留学を果たします)。
(じつは、この続きとして2019年12月では4500万超えを果たしています)
もちろん、研究申請書は出さないといけなかったし、その時点で論文が完成されていないといけないのですが、確か2こか3こです。先輩先生もそんなところでした。そう、このとき思ったのが

ペンは剣より強い!

だったのです。出典は、歴史劇『リシュリューあるいは謀略(Richelieu; Or the Conspiracy)』らしいです。(リンクはwiki
これと同時に私は、民間の研究費も獲得し、それが100万です。
 まず、100万ってだけでも普通の預金では当然増えないし、センスある投資家になる前の投資家でも難しい額だと思います。

 この時点で、僕は卒後10年いっていなかったです。その後も100万レベルの助成金は2回頂きました。学会の奨励賞(50万ほど)ももらったし、多くの著名な教授先生が通る道である、なんとかフェローというものにも選出されてそれでも50万ほど頂きました。この額は、渡航に使っちゃうわけですが、

破格の対応を受けます!! 

(論文作成しているだけで)

毎日おいしいものをご馳走になります。リムジンにも乗れましたし、プライベートルームで野球観戦 
一生分の接待を受けている気分になります。


ペンは剣より強いっていうのは、本当の意味は少し違うのですが、書く事で、

好きな事でお金がもらえる!

ならこの道を捨ててはいけないと思いましたし、他の人にも伝えたい、と思うようになっています。


みんなと一緒の学会発表だけではダメ


で、

論文に!できたら英語論文に! 


ここまでいかないとうまみはないと思いましょう。でもこの地道な活動というのは、不動産投資だって、株投資だって、起業戦士的活動だって共通するような気がしています。結局泥臭い活動はいるのです。 でも、なにもしない先生と比べたら1500万ほどのインカムは当然有利だと思います。

論文作成の次に考える作戦は? 様々なトライをしよう! 

以下論文作成の効果を列挙します。

一応お金になる話しは書きました。皆様先生方が思いつく話としては、「呼ばれて学会に行く」ってことになるのではないかと思います。講演料です。同じ学会に行くのに、一方は払い、一方はもらうのです。 
 突然ですが、皆さんは自分で会を開いたことがありますか? なにか自分のことを伝えたいって思ったときには、そんな会を開きたいそんなことを思うこともあるかもしれません。私は以前に、会を開くことをして、広告料もはらったが、参加者がゼロっていう経験があります(ハハハ)。

そう悲惨です。それと比較したらですよ。 呼ばれたからには一定人数の聴講者がおります。その方々の自由な時間を拘束して、聴いてもらう、しかもお金をもらってです。小額であってもこれはいいことだと思います。

また同じように、雑誌の特集号の執筆陣として呼ばれたり、学術書の執筆陣の仲間入りすることも、論文作成あるあるです。

和雑誌の特集の原稿依頼を頂きました

道端で原稿依頼うける


年末最後の仕事 書籍執筆(共同著者として)脱稿 いい機会でしたがHigh Volumeでした.



投資で成功したからといって、一要素に偶然のファクターがあるように、自分がビジネスっぽいことを経験したからといって、いつもできるとは思っていませんが、一応経験したこととしては、

・自分のアイディアを商品化した!

っていう経験があります。しかも海外会社とのコラボ。これも論文がきいたなぁって思っています。整形外科医をしていて、おそらくこんなものがあったらいいのにと思うことがあると思います。整形外科医は他の多くの外科医と違って、あかんもの(ガン)をとるのが大事でなくて、よくなるように再建する、っていうものづくりコンセプトがあると思いますので当然です。そんな中、普段付き合いのあるメーカに話をしたって、うまくいきません。当然なのですが、メーカーの方がちやほやしてくれるのは、単にユーザーだからです。開発者になってほしいなどと絶対思っていないと思います。もし、少しでも動いてくれるようなことがあっても、それもユーザーだからで、その先生がひとまず使ってくれるということがあるからだと思います。例えば、手術機械の修正をする、これは比較的イージーです。以前聞いたことがある話しですと、年間15例あれば、そんな修正にのってくれるという話です。
でも、イチからの商品開発は無理でしょう。原因としては、大きくわけて2つでしょう。致命的なものとしては、医療機器はほとんど海外からの輸出にたよっているからだと思います。日本の会社は単に営業所だったりするのです。そこからひろいあげるこれは無理でしょう。いつ海外本社のCEOの耳に届くのでしょう? 僕も実際は、コラボした会社の日本支社に連絡をしたことがあります。でも返事をもらっていません。しかし、海外本社のコラボがうまくいって、今では日本支社の社長とも話をすることが出来ています。

また日本だけの市場っていうのも小さいです。海外の人もいいと思ってくれる商品の開発なのに、社外の方の意見を尊重しすぎるとは思えません。海外の会社に、日本の医師が話をしにいって聞いてくれたのは、きっと論文の効果があると思うのです。

・論文で自分の研究、開発商品の結果の武装化をしよう

なぜそんなことがいえるかというと、一回連絡をとったのですが、連絡なしでした。しかし、その結果を論文にして、一応こうこうこういう論文を出版する予定です。会ってくれませんか?っていったら会ってくれる事になったのです。この話の流れからして、論文の作成の効果があったと思える気がします。このコラボのために、海外出張を2回全額相手負担でしてもらったことがあります。もちろん全期間中にコラボレーションFeeが発生していました!!



外国のfeasibility studyへのお誘い(自己負担なし!)


・受託研究、共同研究をするときの武器に

待っていても何も変わりはしません。どこで読んだか忘れたのですが、
「自分がなにもかわっていないのに、未来がいいほうにむかうと期待する、こと自体狂気である」
という
メッセージみて、自分の行動を正当化できました。話を自分からかけに言って、知り合いとなって、研究のためにお金を頂くとなった、ないし、必要研究物品をもらった経験の数は、片手の指の数以上あります。



たとえば一回の額が30万と聞いてどう思いますか? 少ないでしょうか? 論文を書いた実績と、それに伴う研究遂行能力を評価されただけで、これだけもらえるならすごいことだと思います。

他、結局実りはなかったのですが、海外の研究者から一緒に研究をしませんか?って声をかけられたことがあります!

だめになったあとも頑張って喰らいつき、研究を1つ遂行しました。


・留学先を見つける、留学申請に使う。

このあたりについては、よくある留学本で書いてあると思います。
①留学先を見つける時
 ホストの先生に、一応一生懸命研究してきた人だということをわかってもらうため

②留学の際にしたいことを伝える時
プロポーサルを書いてっていわれたことがあります。


③留学のためのVISA申請のとき
 アメリカ留学をしたことがありますが、その時にVISAを取得するために、
 向こうからのInvitation Letterが要るのですが、その際にCV(curriculum vitae: 履歴書)を提出するよう言われます。このときのメインパートが当然業績になってきますので、論文のあるなしは大きく影響するといえます。

・転職の機会に!(イコール対外活動なのだ!)

これもたまたますすんだだけと言われたらそれまでですが、一回なっただけで大学教授のなり方っていう本を書く方だっているんだから言わせてもらいます。転職の機会にも論文実績は効果になるという話ですが、そこに至ったいきさつを下記で読んでください。


本当にたまたまですが、階段を得ないで、ダイナミックにいきなり大学教授になる方を垣間見る経験があったので、そんな発想ができたのだと思います。5年前の記事なので、もう言ってしまいましょう(いきさつも知りませんし、本人の承諾なしですのですいません。)。

神戸大学大学院医学研究科外科系講座リハビリテーション機能回復学 特命教授の酒井良忠先生(リンク
現在の職の前には姫路独協大学の教授で、卒後13年目に助教からのジャンプアップしています。

もう一人、超強力なのが、2016年まで東京大学医学部救急医学分野教授であった、
矢作直樹先生。
金沢大学出身で、このぐらいの時期だと、卒後すぐ助手(助教)になっていて、麻酔科、救急・集中治療、内科の臨床医として勤務して、国立循環器病センターに勤務した後、いきなり、1999年東京大学工学部精密機械工学科教授に。そしてすぐに2001年東京大学医学部救急医学分野教授。

お二人とも普通に考えるとわけがわからないのですが、チミチミ業績を調べると、論文数は多いし、インパクトファクターもかなりある。いろんな人とのつながりがあるのでしょうが、納得させられました。

でも上で紹介しています、和雑誌の特集の原稿依頼を頂きましたの記事で書いているように、こんな転職しなくたって、医局内でもおそらく一目置かれるでしょうし、いざっていうとき、外に示せるものとしては、やっぱり論文というのは仕上げておかないといけないものなのだと思います。

それは医学分野にかぎらず、理系全般にいえることであると、東芝で勤務していて、現在中央大学で理工学部教授としてご活躍されている、竹内 健 氏も以下の本でおっしゃっています。


でも正直いいますと、業績っていうときの論文は、査読であるかどうかのほうが評価される場合が大学によってはあります。なので、英語論文じゃなくたって、日本語の論文をごりごり書き溜めておかれることも結構価値が高いものとなります。

・病院外の活動が増やせる(ここが、というかここからがポイント)

 多少おふざけもありましたが、ここまで真面目に書いてきました。まずは、論文を作成しておけば、そういったアカデミックの活動が認められたことになるでしょう。そうすれば、学会へ出張というのが既成事実になるでしょうし、研究の都合で外出、これも普通に可能になるでしょう。

目指すは、ティモシー・フェリスでしょう!!名著、

「週4時間」だけ働く。
の作者です。

など普通でない感覚も身につけましょう。自分としては、時間確保が大事かと思っていますが、そんな状況を勤務医で当然のように作る、
というのは、当面、


出張


しか選択肢がないと思います。もちろん論文を書かなくたって、病院によっては学会にも行けると思います。
有給がとれる病院もあるでしょう。でもまとまった日数で、学会でない日程で好きに休みを入れるというのは、出張が一番楽なのではないかと思うのです。
(医師の出張戦略シリーズは、2020年に27までになりました(すいません、どうもこの遠し番号の27間違っていそうです(20220311現在))

なまけていないし、まじめに見られつつ、好きな事をする。

今回書いていて一番のスローガンがこれ↑かもしれません。



じゃあ、そろそろ論文を書こう!

これにて一旦このブログ記事のリノベーションは終わりにします。ここまで読んでいただき有難うございます。

 
英語論文作成に関わる、本の紹介をします。

  ・論文を書く際の役に立つ本の紹介(手っ取り早く3つ紹介の記事
   
  ・直接書き方も参考になるけど、毒舌振りが書く気にさせる本は、
   
   できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

早く取り組みはやく書けるようになれば10日程度で英語論文を書けるようになります。
実況中継のような記事は、
英語論文作成①
英語論文作成①補足
英語論文作成②
英語論文作成③
英語論文作成④
英語論文作成⑤
英語論文作成⑥
英語論文作成⑦
英語論文作成⑧
英語論文作成⑨
英語論文作成⑩

英語学会作成を日本語からのチェンジだったら1日、日本語抄録作成だったら半日か1-2時間仕事にできるようになっていますので、学会発表ごときではヒーヒー言わなくなりました。
でも、論文執筆は、やっぱり効果的な仕組みが必要で、その仕組みがあるのならそれに参加するかオーガナイズするっていうことを希望しています。

最後に

みなさま、読んでいただき有難うございます。




えーっと

以下はオリジナル記事です。

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今年2つ目の英語論文通知を頂きました。1つ目との時間は数か月ですが、その間にも別の論文がReviseで落とされるなどアップダウンが本当にきついのですが、採択通知を頂くといろんな苦労がかき消されます。
 今回の話の主な部分は、
①”採択の雰囲気は変わる可能性があること” と 
②”整形外科雑誌のインパクトファクターがあがっている” 話についてです。



 今回自分の論文の中では、はじめてのジャーナル”International Orthopaedics"です。
国際学会のSICOT(Société Internationale de Chirurgie Orthopédique et de Traumatologie)の学会誌になります。
6、7年前に、提出して数日であっさりRejectという経験をしたので完全に遠ざかっていました。
が、数日で判断されるということは、次のジャーナルに投稿する際の時間の無駄が減るので一度提出してみようかと思い投稿しました。
 今までの少ない経験からですが、整形外科英語論文雑誌の多くはかなり歴史があったりしますが、Editor-in-Chiefが変わるとガラッと雰囲気が変わるということもあるのではないかと思います。
また以前と違って、好ましい査読者を登録できるようになっており、そういったことがたまたま採択につながったのだとと思います。
 たまたま夏休みをとっていてPCが手元にないときに、再建(英語では、Revision とか Reviseとかいいます)依頼通知がきて、早期の対応がなければ再投稿として処理します、と書かれてあったので、事情を説明すると、”Don't worry. Be Happy. Happy Holidays"といった返事をもらい待ってもらえることになりました。 優しい方だなぁと思ったのもつかの間、Referenceのフォーマットが1つだけ違うだけで、「!」マークを15個もつけられるような文章をもらってやり直しさせられたりもし、とても人間的な対応を感じました。
 英語論文を投稿したことのある先生でしたらご存知だとは思いますが、雑誌を投稿した後のやりとりは、Editorの名前があるメールがきても、ほとんどが機械的な文章で、Editorが本当にみているのかなと思っていましたが、やっぱりみている!という情報です。

② 
 もう一つ。この雑誌”International Orthopaedics"を敬遠していた理由としては、
インパクトファクターが昔は1もなかったと記憶していて、
「もうどこでもいいからひっかかってほしい!」という範疇にはいっていましたが、
今調べると2以上あり、びっくりしました。
 ついでに整形外科雑誌で自分が採択されたことのある雑誌、他も調べると
確実に上がっており、JBJSやJORだけが高いのではないということがわかりました。
なので今度から提出してもいい雑誌の範疇に入りました。
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2014年9月1日月曜日

整形外科も健康・福祉機器に開発に取り組む時代?

 先月お伝えしたようにリハビリ関連の企業と共同研究することになりましたが、別にこれは今いる立場が研究職ということでなくても行っていいことだと思います。むしろ通常の臨床に従事されているほうが、実際の患者様と接した結果起こったニーズであることを伝えることができ、企業の方も前向きに検討しやすくなる可能性があります。
 また、どんどん高齢社会になっていく日本において、整形外科の役割というのは増えていくだろうし、患者だけでない一般の高齢者に対して健康について指導すること、福祉との関わりが増えていくであろう可能性があります。
 こういった時に以下の本を発見しました。

10年くらい前の本なのですが、健康・福祉関連のアイディアを具現化させていく上で、かなりいい本だと思います。まず目指すべき分野というのがいくつかあることを呈示して、その分野ごとに今後こうなっていくであろうという見込みのもと、どういったニーズがでてくるか、そうした場合どんな機器が必要になって来るかが説明されています。またいちいち事例が盛り込まれており、製品開発の経緯がわかる点も大変参考になります。678ページという大容量ですが、そういったことに興味のある先生は持っておいてもいい気はします。
(下記のアマゾンで調べてみると、定価2万くらいなのに中古だったら安く購入できるようですし、びっくりしたのは、保存状態がいいものは7万くらいまで価格設定がされており、お宝扱いなのかもしれないと勝手に思いました)






スポットバイトの経験はしたほうがいいと思います。

概論:
先日、出身医局の異なる先生と話す機会があり、医局によってバイトのとらえ方が結構異なるのだということを認識しました。バイトといっても当然通常の人々が考えるものとは異なる非常勤医としての活動の話です。生活の糧のため、ある程度コントロールされながらも、週数コマはいっていいといっているところもあれば、平日の通常の時間帯になぜ外出するのかと思われるところもあるようで驚きました。後者の場合は、夕診とか当直等で対応するしかないようです。
今はそういったこととは比較的関係のない状況に身を置く立場なので、医師の転職サイト数社に登録し、時間の都合をつけてそういった活動をいくつかしてみました。スポットというのは定期的に勤務されている医師がなにかの都合で勤務できない日を代診するような単発の勤務をいいます。
金額:
昔、大学院時代、「整形外科のバイトの単価は高い、これは他の科に行く先生をつなぎとめるだけのアドバンテージがある」といった話を聞き、自分の科目の選択に満足した記憶がありますが、かなり範囲が大きいのだということがわかりました。だいたいの計算は1時間単位1万から1.5万くらいが、自分の交通圏内の相場ですが、それを下回るところもありました。つまり半日働いて45万いくかなと思っているのに、3万程度のところも存在します。やっぱり医局から頂いたバイトというのは概ね相場の上をいくことがわかり、こういったところにも医局所属のメリットがあるのかと一瞬思いましたが、そうでない気もしました。それは、患者の数が全く違うというところです。少ないところでは、PC持参で仕事も合間にすすめられるところもありました。
診療の幅広さ:
これも中規模病院と診療所レベルでは違ってきます。継続薬処方と外来リハビリの面会のみというところ、それにブロック注射、関節注射が加わるところ、がある一方で新規患者も結構来るところもありました。診療所ではたまたまかもしれませんが、今まで開業していた先生がやめてしまい、後任の先生の選定に苦慮しているというところもいくつか経験しました。比較的大きめの病院での経験しかない先生にはぜひこういった小さめのところでの勤務経験をすすめたいです。医療というのは、自分の所属しているところだけがスタンダードではないのだということを知るのは、今の立場に固執する必要を確認したり、固執していた立場がいかに診療全体の小さい範囲でしかないのだと知ることができるいい機会と思います。上述の薬継続処方やときどきの注射で経営なりたつのかな?と思ったりしましたが、そういったところでは必ずといっていいほど、訪問看護施設、通所リハビリ施設といった関連施設をもっており、そういったところをまとめて全体で医療に取り組んでいる気がしました。
おまけ:

いくつかのところで始まる際に、ペットボトルでお茶を提供していただきました。気の利いたすばらしい文化だと思いました。