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2016年9月1日木曜日

ロボット技術と医療 整形外科関連の現状

 先日の失敗の一環(?)ではありませんが、ロボットというキーワードが医療分野で多くなっているけど、整形外科医的にどうかと思ったので調べてみました。

 かなり前ですが、整形外科のロボット手術に貢献していましたが、今現状では、整形外科関連では、他の外科系と比べると体制的な面と環境的な面で劣っているというのが自分の印象です。他の外科系では腹腔鏡など内視鏡手術ということでひとまとめにでき、以前は開腹手術だったのが、小さな穴数箇所のみで手術できるようになって来ています。もちろん関節鏡も内視鏡ではあるのですが、他科と比べるとフォームが異なる印象です。

 ロボット手術に関して、腹腔鏡で有名なものとして da vinci(ダビンチ)があり、他科では大学病院でなくても導入されています。10年以上前、こんな大掛かりなもの絶対はやらないと思っていましたが、変われば変わるものです。このda vinciと整形外科手術は関節鏡手術であっても相性がわるいので、症例報告的なものしかありません(おそらく外科医の関節鏡を動かす範囲であったり、関節の位置を変えて視点を変えないといけなことが原因と思われます)。
今では、他科ではロボット手術認定医という制度があるのですが、当然これはda vinciの導入に関連した内視鏡学会が主導ですので、整形外科医は範疇にありません。

「股関節・膝関節整形外科手術ロボット:世界市場シェア・戦略・予測 2016-2022年」という市場調査レポートの概要(リンク)では、

「股関節・膝関節整形外科手術ロボット市場は、次世代ロボットデバイス、システム、および手術管理への装置の投入により、2015年に8,400万米ドルを上回り、2022年までに46億米ドルに達すると見込まれています。」
となっているけど日本はどうかなぁと思います。
今年の日本人工関節学会で、このレポートにある、
Stryker Mako RIO ® Robotic Arm関連のランチョンがありましたが、
参加する先生方は少なかったとストライカーの営業の方が行っておりました。

あと研究環境にも以前から課題があります。
(参考記事のリンク


手術関連ではそんな感じですが、リハビリ部門ではもう少し可能性を残しています。

今日の整形外科治療指針 第7版

の中で、ロボットスーツHALのことが取り上げられています。
また、これ診療点数がついています!
J118-4 歩行運動処置(ロボットスーツによるもの)です。

まだまだ整形外科疾患への適応へのエビデンスは十分とは思いませんが、
手術関連より導入は進んでいく実感があります。

介護ロボットとかいうキーワードよりウエアラブルロボットというキーワードで、
なんとかなじみやすく進んでいく感じがあります。



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