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2014年8月21日木曜日

整形外科医 大学院 に行く メリット やっぱりあると思います。

 若手の整形外科医の先生が、どこかの段階で大学院に行くことを検討したりすることがあるかもしれません。”医学博士になれる”とか”研究マインドが身につく”、といった王道の話でないことを今回は書いてみたいと思います。自分の経験からですので片寄があることをご了承ください。
 医局離れがおこったり、また後期研修医以降で医局に入るといった流れの混在があると思いますが、医局にはいることで一見その大学の所属下に入るようになりますが、大学付属病院に勤務しても、医局の関連病院に勤務しても得られないものが”大学院に行く”にはあると思います。

①医師としての仕事の見つめ直し
 優先順位的には、仕事の勤務形態ががらりとかわることを経験できることにあると思います。
病院勤務でいくつかの病院をまわるとローカルルールが存在するといっても、なれれば些細なことないし自分では変えられないことですから、”手術”、”外来”、”病棟業務”、”雑務”というスタイルは変わらないと思います。ところが、大学院にいくと研究生活が主となりますので、そのほとんどがなくなります。非常勤でバイトさせてもらえるところであれば、外来のバイトがあるでしょうし、運のいい人は手術のバイト(執刀、助手どちらにしても)というのも経験はするでしょう。普通の病棟の医師としても勤務しないといけない(これも1-2年あったりするらしいですが)以外の先生は圧倒的に仕事のバランスが変わることを経験します。
 一番は時間的余裕だと思います。時間がでてくれば、思考にまわす時間が増加します。今までの重きをおいていたことがあまり価値のないことにかわる可能性が経験できるはずで、自分はこの仕事をずーっと続けていいのかどうか考える時間になります。あと医師としての仕事とされていたものが、本当に医師の仕事なのかという考えも浮かんできます。また外国での発表を経験したりして、海外での生活を垣間見たりするとさらに、日本の医師として日本の病院でのみ活動することが本当に自分にとって自分の才能を活かしているのかどうかといったことを考えることにもなります。まぁ、ほとんどの先生は一瞬思ってもそのまま病院生活に戻ってしまうと思いますが、この先の医師の活動の幅を増やしていけるかどうかは、この思考時間の確保が絶対必要であると思います。そうしていろんなことで活躍できる先生が増えていくことを望みます。

②医局と関係なくその大学の卒業生として存在できる
 これが最近経験したことなのですが、医局を途中でいろんな諸事情でやめることがあっても卒業生として存在できることは、その大学の別の関係を結ぶことができる気がしていいと思いました。最終学歴として、その大学・大学院とつながっているいるということです。一例をあげます。医局をやめても医師として活動する先生がほとんどであると思います。そういった中では、なにかについて調べたいという気持ちに駆られることが出てくると思います(たとえば、コメディカルの方に講師をしないといけないときとか、患者様に講演したりしないといけないときとか)。そうしたときに一般的にはインターネットで検索したり、医学書を扱う本屋にいったりということができますが、大学の図書館にいけるというのは1つの選択肢としてあると結構いいと思います。大学の図書館では図書も論文も豊富にあります。もちろん一般としても借りることができるところもあると思いますが、卒業生というだけで、借りられる本、論文の数が増えたり、借りられる期間が増えたりします。もう卒業した先生であっても一度そういったメリットについて調べておいてもいいかと思いました(すいません、この②に関しては卒業大学とは違う大学の医局に入局して大学院に入った先生方のメリットでした。大学と大学院が同じ場合、特別なメリットはありません。)

 大学医局によっては、大学院に在籍していた期間を、研修指定病院で研修していた期間に含めてくれるところがあるようです。そうすると気づかぬうちに4年間臨床指定病院(大学付属病院)に研修していることにできるようです。さらに、整形外科とリハビリテーション科の教授が同じであったりする場合、リハビリテーション科も研修したことにできるようです。これも資格を今後取る人にはメリットかもしれません(余生はリハビリ病院で活きるという先生ならリハの専門医資格がいるかもしれません。保証はしませんが)。

④あとは、②のこととかぶりますが、最終学歴として大学院まで行った暁の、博士(医学)は医師全般が思っている以上に他の学科からの評価とか、海外からの評価は高くなります。というかこれがないと、医学部であろうと非医学部であろうと大学教員にはなれません。 なので、大学院は行っておいて、博士号を取っておくことは意味があることなのです。




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